「昆虫学公開セミナー第15回 『コケ食昆虫の多様性と進化』」開催のご案内
期日:2017年7月7日(金) 会場:鳥取大学 農学部1号館4階中セミナー室(鳥取キャンパス)
七夕に、京都大学大学院人間・環境学研究科の今田弓女氏によるセミナーを開催します。
植物を食べる昆虫の中でも、コケ類を餌としている昆虫の研究は大変遅れており、最近までその詳細はほとんど知られていませんでした。今田氏は謎多きコケ食昆虫を綿密に調査して、コケ類を食べる昆虫がどのような進化の道筋をたどってコケ食を獲得したのか、その謎の一端に迫る研究をしてきました。
本講演では、コケ食昆虫の中から「コバネガ」「シギアブ」の2つの分類群について、その不思議な形態・生態や、コケへの適応の過程などについて講演して頂く予定です。コバネガはチョウ目(鱗翅目)昆虫の中で最も原始的とされており、なんと成虫に「噛むための口」があります。また、シギアブは既知のほとんどの種で生態が全く分かっていない「謎の虫」です。また、今田氏はペルー、ラオスなど海外での調査経験も豊富で、海外でのフィールドワークに関する話も聞かせて頂けるかもしれません。
「謎の虫」「コケ」「原始的」などのキーワードに反応した方、海外でフィールドワークに従事してみたい方(特に女性)、要旨を読んで少しでも興味を持たれた方は、是非ともご参加下さい。
- 日時:平成29年7月7日(金)17時~
- 会場:鳥取大学 農学部1号館4階 中セミナー室2(鳥取キャンパス)
〒680-8550 鳥取市湖山町南4丁目101 - 講師:今田 弓女 氏
京都大学大学院人間・環境学研究科
https://yumeimada.wordpress.com/ - 要旨
被子植物を食べる昆虫は陸上生態系において重要な要素を占めている一方で、コケ類を食べる昆虫はほとんど知られていない。コケ類は現生の陸上植物のなかで最初に分岐した系統であり、それ故に節足動物とほとんど相互作用を持たなかったと考えられている。国内外のコケ食昆虫を対象とした綿密な野外調査によって、演者は知られざるコケ食昆虫を新たに発見してきた。とくにコケ食昆虫の2つの系統(コバネガ科とシギアブ科)は、特定のコケ類と密接に関わりながら日本列島で多様化してきたことを明らかにした。本セミナーでは、コケ類の専食者がいかにコケ食を獲得し、どのような食草利用の進化の道程を辿ってきたかなどについて、最新の知見をお話ししたい。
- 担当:中 秀司(鳥取大学 農学部 生物資源環境学科 害虫制御学分野 准教授)
懇親会
セミナーの後には大学近くもしくは鳥取駅前で懇親会を開催する予定です。参加を希望される方は、なるべく早く担当までご連絡下さい。
交通アクセス
農学部の位置、建物配置図(ページ下部へスクロールして下さい)
連絡先
セミナーの事前申し込みは不要です。
会場がご不明な場合は、当日、設備サポート分野の職員がご案内いたしますので、下記連絡先へ7月6日(木)正午までにご連絡下さい。
また、自家用車でご来場予定の方は、7月5日(水)までに下記へご連絡下さい。
国立大学法人鳥取大学 生命機能研究支援センター
設備サポート分野(湖山キャンパス)
コーディネーター 玉川 文夫
TEL:(0857)-31-6013
E-mail