「昆虫学公開セミナー第16回 『昆虫走光性の新しい理解とそれにもとづいた高誘虫光捕虫器の開発』」開催のご案内
期日:2017年7月25日(火) 会場:鳥取大学 農学部1号館2階 第一講義室(鳥取キャンパス)
7月25日(火)の16:30より、農学部1号館2階の第一講義室にて、石川県立大学生物資源環境学部准教授の弘中満太郎氏によるセミナーを開催します。
昆虫が光に引き寄せられる現象、いわゆる「走光性」は、昔から数多の昆虫学者を魅了し、様々な行動仮設が提唱されています。しかし、そのいずれも決め手に欠けるもので、行動メカニズム、適応的意義共に、皆を十分納得させるものではありませんでした。
弘中氏は、光源に誘引される昆虫の行動を詳細に解析した結果、昆虫は視覚的な境界線に誘引され定位する性質を広く持っていることを発見し、人口光源への誘引が同様の現象で説明できることを「エッジ仮説」として提唱しました。
「光」「定位」「走光性」「視覚」「エッジ仮説」などのキーワードに反応した方、光を用いた害虫防除に関心がある方、灯火でクワガタを拾いに行った経験がある方、要旨を読んで少しでも興味を持たれた方は、是非ともご参加下さい。特に工業系の方々、参加して絶対に損はさせません!!
- 日時:平成29年7月25日(火)16時30分~
- 会場:鳥取大学 農学部1号2階 第一講義室(鳥取キャンパス)
〒680-8550 鳥取市湖山町南4丁目101 - 講師:弘中 満太郎 氏
石川県立大学 生物資源環境学部 植物保護学 准教授 - 要旨
昆虫が光に引き寄せられる走光性(phototaxis)の現象は、数多くの研究者により古くから研究されてきたが、その行動メカニズムと適応的意義は今も十分に明 らかになっていない謎の現象である。
演者らは近年、光源や物体に対する昆虫の視覚定位行動を詳細に観察し、多様な昆虫の種が光源の近傍に存在する特徴的な視覚的エッジに強く誘引されること(エッジ効果)を明らかにした。そして昆虫走光性とは、自然環境に存在する物体の視覚的エッジへ定位する行動が人工光源に対して引き起こされたものである、という「エッジ仮説(edge hypothesis)」を新しく提案している。この考え方にもとづくことで、予察灯、色彩粘着板、吸引式光捕虫器、電撃式光殺虫器、粘着式光捕虫器、燈火採集用ライト、パントラップといった農業、製造業、小売業、学術研究などの分野で利用される多彩な視覚トラップの誘引効果を増強することが期待される。最初の取り組みとして、食品工場などでの使用を想定した高誘虫型の工場用光捕虫器の開発を目指した。
本講演では、昆虫走光性の新しい理解の可能性と、それにもとづく高誘虫光捕虫器の開発の成果について紹介したい。 - 担当:中 秀司(鳥取大学 農学部 生物資源環境学科 害虫制御学分野 准教授)
懇親会
セミナーの後には大学近くもしくは鳥取駅前で懇親会を開催する予定です。参加を希望される方は、なるべく早く担当までご連絡下さい。
交通アクセス
農学部の位置、建物配置図(ページ下部へスクロールして下さい)
連絡先
セミナーの事前申し込みは不要です。
会場がご不明な場合は、当日、設備サポート分野の職員がご案内いたしますので、下記連絡先へ7月24日(月)正午までにご連絡下さい。
また、自家用車でご来場予定の方は、7月21日(金)までに下記へご連絡下さい。
国立大学法人鳥取大学 生命機能研究支援センター
設備サポート分野(湖山キャンパス)
コーディネーター 玉川 文夫
TEL:(0857)-31-6013
E-mail