「昆虫学公開セミナー第17回『短波長可視光による殺虫効果の発見とそのメカニズムに関する研究』開催のご案内」
期日:2018年2月8(木)会場:鳥取大学 農学部1号4階 中セミナー室2(鳥取キャンパス)
2月8日(木)の16:30より、農学部1号館4階の中セミナー室2にて、農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター北陸研究拠点の渋谷和樹氏によるセミナーを開催します。
2015年3月、東北大学のグループにより、Scientific Reports誌に「青色の可視光に殺虫作用がある」という衝撃的な論文が発表されました。
光を用いた害虫防除は、古くは誘蛾灯による誘引から、最近では果樹園などに取り付けた黄色蛍光灯で昆虫の行動を制御するものまで、様々な方法が実用化されています。また、一部の虫が紫外線で死に至ることが知られており、例えばハダニ類の防除には光反射マルチ(+UV照射)が実用化されています。一方で、可視光の照射は高等動物に対して強い毒性があるとは考えられていませんでした。
渋谷氏らは、400~500nmの紫~青に見える波長の光に強い殺虫効果があること、殺虫効果のある波長が虫の種類によって異なることを発見しました。この発見は、「青い光を当てるだけ」という画期的な害虫防除法の開発に繋がるのみならず、可視光の生体への影響を明らかにする上でも役立つと考えられています。
光を用いた害虫防除に関心がある方、要旨を読んで少しでも興味を持たれた方、前回のゼミ(「光に虫が誘引される仕組み」の話でした)で昆虫と光の関係に興味を持たれた方は、是非ともご参加下さい。特に工業系の方々、今回も参加して絶対に損はさせません!!
- 日時:平成30年2月8日(木)16時30分~
- 会場:鳥取大学 農学部1号4階 中セミナー室2(鳥取キャンパス)
〒680-8550 鳥取市湖山町南4丁目101 - 講師:渋谷 和樹 氏
農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター北陸研究拠点 - 要旨
光のうち、紫外線が生物に害を与えることはよく知られている。昆虫においても、紫外線照射による殺虫効果を研究した例は多い。しかし、可視光が殺虫効果を持つとはこれまで考えられてこなかった。
演者らは様々な波長の光を昆虫に照射することにより、特定波長の可視光が高い殺虫効果を持つことを見出した。種によって効果的な波長は異なるが、紫~青色の短波長光による殺虫効果が高いということが分かった。また、同一種の昆虫においても、その成育ステージによって効果的な波長が異なることを明らかにした。
本講演では可視光の殺虫効果について、そのメカニズムや害虫防除への応用可能性などを含めてお話ししたい。 - 担当:中 秀司(鳥取大学 農学部 生物資源環境学科 害虫制御学分野 准教授)※セミナーの事前申し込みは不要です。
懇親会
セミナーの後には大学近くもしくは鳥取駅前で懇親会を開催する予定です。参加を希望される方は、なるべく早く担当までご連絡下さい。
交通アクセス
農学部の位置、建物配置図(ページ下部へスクロールして下さい)
連絡先
セミナーの事前申し込みは不要です。
会場がご不明な場合は、当日、設備サポート分野の職員がご案内いたしますので、下記連絡先へ2月8日(木)正午までにご連絡下さい。
国立大学法人鳥取大学 生命機能研究支援センター
設備サポート分野(湖山キャンパス)
コーディネーター 西村 隆之
TEL:(0857)-31-6013
E-mail