「昆虫学公開セミナー」のご案内
期日:2019年11月11日(月) 会場:鳥取大学農学部1号館4階 中セミナー室2(鳥取)キャンパス
鳥取キャンパスでの昆虫学公開セミナーの案内です。
今回のセミナーでは、フェロモン研究の先駆けであり、またその生理的・遺伝的
背景が最もよく理解されているガ類の性フェロモンを題材として、性フェロモン
生合成のメカニズムについて講演して頂きます。
性フェロモン、フェロモン腺、性フェロモン生合成酵素、揮発性、不飽和化(酵
素)、エポキシ化(酵素)などのキーワードに関心がある方は、是非ともご参加下さ
い。また、関連(があるかもしれない)分野の先生方は、このメールを学生諸氏に
回覧したりTwitterやLINEで拡散して頂けると幸いです。
なお、セミナーの後には大学近くもしくは鳥取駅前で懇親会を開催する予定です。
日時:令和元年11月11(月)16:30~
会場:鳥取大学農学部1号館4階 中セミナー室2
(鳥取市湖山町南4-101)
講師:藤井 毅 氏
東京大学大学院農学生命科学研究科 特任助教
参加費:無料
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ここまでわかったガ類性フェロモンの生合成メカニズム
【要旨】
ガ類は性フェロモンと呼ばれる脂質代謝の派生物である揮発性低分子を介して、
同種の交配相手を広大な空間から誘引して交尾に至るため、交雑種が出現しにく
くなっている。このガ類性フェロモン分子には、炭素骨格の長さ、官能基の種類、
分子内の二重結合やエポキシドの位置や向き、という形で「種の情報」が含まれ
ている。更には、これら分子の混合比も含めて、100万種をこえるチョウ目の1種
1種が同種・異種を識別できるといわれている。
面白いのは、現在約700種のガ類種から同定されているガの性フェロモン分子の
ほとんどが、わずか二種類の全く異なる生合成経路で生産過程が説明できること
である。いずれの経路にも性フェロモンを生産する酵素が複数存在し、それらが
協奏的に働き揮発性の高い性フェロモン分子を生産する。中でも不飽和化酵素の
一種、11位を不飽和化する酵素遺伝子は、ガ類のフェロモン腺でのみ報告されて
いる。本セミナーでは、ガの性フェロモン交信系のアウトラインを説明したのち、
この性フェロモンの二種類の生産過程の仕組みを比較しながら、最新の知見を紹
介する。
【連絡先】
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〒683-8503 鳥取県米子市西町86 研究支援棟B
鳥取大学 研究推進機構 研究戦略室
コーディネーター(設備サポート担当)
田中 美和
TEL : (0859)38-7523
E-mail : miwa-tanaka@tottori-u.ac.jp
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